資産運用・株式投資

国内の全市場が対象!日経JAPN1000の概要をわかりやすく解説!

日経JAPAN1000という株価指数を耳にしたことがある方は、意外と少ないのではないでしょうか?

今回は、日経JAPAN1000について、概要や算出方法、他の株価指数との違いについて解説していきます。

 

日経JAPAN1000とは?

日経JAPAN1000とは、国内証券取引所のすべてから1000銘柄を選んで算出された株価指数です。

算出は日本経済新聞社が行っています。

 

東京証券取引所一部、二部、ジャスダック、マザーズなど選出範囲が広いため、日本全体のマーケット動向を広く反映した指数となっています。

 

日経JAPAN1000に採用されている代表銘柄

2019年11月24日現在、日経JAPAN1000に採用されている銘柄の一部をご紹介します。

代表的な銘柄は以下の通りです。

 

コード 社名
1332 日本水産
1333 マルハニチロ
1802 大林組
1963 日揮ホールディングス
2001 日本製粉
2201 森永製菓
2206 グリコ
2503 キリンホールディングス
2802 味の素
3407 旭化成
4452 花王
4527 ロート製薬
6361 荏原製作所
3105 日清紡ホールディングス
6502 東芝
6503 三菱電機
6594 日本電産
6752 パナソニック
6753 シャープ
8035 東京エレクトロン
7203 トヨタ
7269 スズキ など

 

毎年10月の下旬に構成銘柄の見直しが行われ、この際に基準に満たない銘柄の除外や新規に取り入れる銘柄の採用が行われます。

 

銘柄見直しの対象と基準

銘柄見直しの際の選定対象は原則として、「選定時に日本の株式市場に上場している銘柄」となります。

ただし、「選定の時点で、上場して6ヶ月未満の銘柄、並びに過去1年で値が付かなかった日が前営業日の5%以上の銘柄」は選定対象から除外されます。

 

銘柄ごとに、過去2年間の時価総額を出して、上位500位以内でこれまで採用してこなかった銘柄が新規採用対象になります。

また、時価総額1501以下の銘柄でこれまで採用してきた銘柄を除外します。

 

この基準に照らし合わせて採用、除外を行った結果、採用銘柄が1000銘柄に達しない場合は、採用していない銘柄から上位順に追加採用していきます。

逆に、採用銘柄が1000を超えている場合は、採用銘柄の下位銘柄から順に外していきます。

 

時価総額が高ければ、上場市場は問われないので、ジャスダックやマザーズといった新興市場の銘柄も日経JAPAN1000に採用されることがあります。

 

日経JAPAN1000の算出方法

日経JAPAN1000の算出方法は「時価総額加重方式」が採用されています。

計算式は以下の通りです。

 

日経JAPAN1000=採用銘柄の時価総額÷基準日の時価総額×1,000(基準値)

2002年11月1日の数値が基準値として設定されています。

 

基準値を設けることで、市況変動とは直接関係のない要因を排除して、指数の連続性を担保することが可能になっています。

 

日経JAPAN1000とその他の日経指数の違いは?

日本経済新聞社は、日経JAPAN1000以外にも、様々な指数を算出しています。

算出している指数として、

・日経平均株価
・日経株価指数300
・日経500種平均株価
・日経ジャスダック平均株価

 

が挙げられます。

1つずつ、詳細を確認していきましょう。

 

日経平均株価

日経平均株価は、東証一部上場銘柄から、取引額が大きく流動性の高い銘柄を225種選んで算出された株価指数です。

経済ニュースでは、「日経平均」や「日経225」と呼ばれることもありますね。

 

日本の株式指数を代表するインデックスでもあり、世界的な知名度も高いです。

日経平均株価の計算には、「みなし額面」と呼ばれる方式が採用されています。

 

これは、株価が高い銘柄の影響力が大きくなりすぎないよう調整する方式です。

日経平均に採用される株価は、以下の計算式を用いて算出されます。

 

採用株価=株価×50÷みなし株価

すべての銘柄の株価を「50円」の額面に統一するために、みなし額面が用いられます。

 

*額面の金額には、20円、50円、500円、50,000円の4種類があり、投資家はこれらの額面の金額で1株を購入することが可能でした。

ただ、2001年10月の商法改正に伴い、額面が記載された株式は廃止されます。

 

この結果、額面記載のない株式発行が原則となりましたが、依然として、株価の大小は額面によるところが大きい状態です。

額面が500円の銘柄は、額面が50円の銘柄の株価よりも10倍株価が大きいと判断されてしまいます。

 

このように、額面による株価の差異をなくすために、みなし額面による調整が行われるのです。

算出された採用株価を使って、日経平均株価が計算されます。計算式は以下の通りです。

 

日経平均株価=225銘柄の採用株価合計÷除数

上記の一連の計算方式を「ダウ式」と呼びます。アメリカのダウ平均株価と同じ算出方法のため、このように呼ばれています。

 

日経平均株価の推移を見ることで、東証一部上場の大企業の動向を確認することができます。

日本の経済を動かしている企業群ですので、日経平均株価の動きは「日本経済全体の動き」に連動しているといっても過言でないですね。

 

日経株価指数300

日経株価指数300は、東証一部上場銘柄の中から300銘柄を選出して計算された株価指数です。

時価総額加重平均型の指数で、「より少ない銘柄で市場の実勢を的確に表すことを目的」として作られました。

 

採用される300銘柄は、時価総額の大きさを基準にして、業種のバランスをとりながら選ばれます。

時価総額加重平均型の指数であるため、時価総額の大きい銘柄に左右されますが、選出されている300銘柄がそもそも時価総額上位300銘柄であるため、時価総額にそこまで大きな開きはありません。

 

よって、大企業全体の動向を見るには、非常に有用な株価指数と言えます。

 

日経500種平均株価

日経500種平均株価は、日経平均株価と同様に「ダウ式」で算出される株価指数です。

対象となるのは、東証一部に上場する銘柄で、この中から500銘柄が選出されます。

 

毎年4月1日に、出来高、売買代金、時価総額の3指標をベースに銘柄の入れ替えが行われています。

日経500種平均株価の銘柄をベースにして、日経業種中分類(36種)による業種別日経平均株価もあわせて算出されています。

 

・日経ジャスダック平均株価

日経ジャスダック平均株価とは、ジャスダックに上場している全銘柄を対象にして算出される株価指標です。

 

算出方法は「ダウ式」で、修正された平均を算出していきます。

ジャスダック全体の動向を確認するのにうってつけの指標です。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

日経JAPAN1000は、日本の全株式市場の中から、時価総額の大きい上位1000位銘柄を抽出して算出される指標です。

 

市場の種類を問わないので、時価総額さえ大きければ、選定対象となります。

日本の大企業の動向を把握するのに適した指標となります。

 

ただ、時価総額の大きい銘柄が指標の動向に影響力をもつため、一部の大企業の動きに指標が振り回されることもあります。

また、日経JAPAN1000では、時価総額が小さい中小企業やベンチャー企業の動きまでは網羅していないので、細かい市場動向までは把握することができません。

 

ただ、時価総額の高い上位1000銘柄がもとになっているので、日本の大企業の動向を把握するには適しています。

日経JAPAN1000は、日本経済新聞社が算出、公表を行っています。

 

日経は他にも、日経平均株価や日経株価指数300といった指標を算出しています。

日経JAPAN1000とは算出方法が異なるものもあります。

 

様々な指標を比較して、偏りのない分析をしていくことが投資で大切になってきます。

各指標の特徴を把握して、バランスのとれた市場分析をしていきましょう。

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